2018年05月14日

娯楽トキドキ情報アワー土曜モチャリスタ − 土曜劇場5月12日放送分

トキ北川
わすれものセンターB 〜前篇〜
出演:トキ北川
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忘れものは、今も昔も多いです。
物を持ってくるのを忘れるということもありますし、何かをし忘れる、言い忘れる、といった類も多いです。
大げさではなく、一日に一度は、何か、忘れものをします。
・・・うん、そうですね、まったく忘れものをしなかった日、という記憶は、ないです。
まぁ、それがどこまで厳密な記憶なのかは甚だ怪しいところです。
ひょっとしたら、その日まったく忘れものをしなかったことに気づくことなく眠りについたこともあるのかも知れません・・・あるかなぁそんなこと・・・いやいやないと思うなぁ。
もしも私にそういうことがあれば、一日の終盤の、どこかの段階で気づくはずです・・・滅多にないことですから。
夕食をとりながら、シャワーを浴びながら、ベッドに入ってから・・・どこかの段階で、「あ、俺、今日、ひとつも忘れものしてない」となるでしょう、そして、そのことにおおいに満足して、嬉しそうに鼻を膨らませるでしょう。
それほど私にとって、忘れものは日常的で頻発的です。
実際、昨日のことを思い出してみても・・・えぇ〜っと・・・朝にアレをするの忘れて、アレをするのも忘れて、で、昼にアレをするの忘れて、で、夜、帰りにアレを買って帰ってくるの忘れて・・・まぁ、ざっと思い出しただけで、四つの忘れものをしました。
おそらく、これまでの経験上、今は思い出せない、というかまだ気づきもしていないけれど後々思い出すこともあるでしょうから、七、八の忘れものはしているはずです。
一生のうちに忘れものを一度もしない人がいるとは到底信じられませんが、すべての人が私と同程度の忘れものをするわけでもないでしょう。
統計などまったくとっておりませんので、何の論拠もないのですが、これまで様々な人と接してきての私の実感として、私は、平均以上に忘れものをする人間だと思います。
なぜなのでしょう?
・・・まぁそれがハッキリ分かっているんなら、今日からでも対処すべきなんですが・・・
年齢的なこと、たとえば脳の衰えであったり、そういうこと、ではないような気がします。
小学生の時から忘れものばかりしていた記憶があります・・・一度、手ぶらで学校へ行って教室に入り、「あ、ランドセル忘れた」と言って家まで取りに帰って遅刻したことがありました。
では、何が原因?
・・・私が自分自身の欠点・弱点について考察すると、結局何かにつけてこの結論に至ってしまうのですが・・・まぁ結局のところ、真剣みが足りないのだと思います。
世の中の、人生の、生活の、一つ一つの物事を、いまひとつ真剣に考えていないと、そういうことです。

シリーズ「わすれものセンター」の第三弾。
電鉄会社のプラットホームや列車内の忘れものを管理する場所が舞台です。
持ち主に、いまひとつ真剣に考えられなかった物たちの怨念が、蠢いている、の、かも、知れません。
この話、次回まで続きます。


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posted by fm814 at 22:11

2018年05月08日

娯楽トキドキ情報アワー土曜モチャリスタ − 土曜劇場5月5日放送分

トキ北川
保育士見習
出演:トキ北川
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「モンスターペアレント」という言葉が浸透して久しいです・・・「どこまでやればモンスターなのか?」の詳細は存じませんが、私は長らく、彼らの神経を疑っておりました・・・どうすればそんな恥さらしができるのだろうかと。
ただ、私もおかげさまで人の親にならせていただきまして、それでようやくその神経が理解できました。
人の親たる者、誰だって、「モンスターペアレント」に、なろうと思えば、なれます。
「モンスターカスタマー」など、「ペアレント」以外にもいろんな場面で「モンスター」という言葉が使用されるようになっていますが、「ペアレント」以外の「モンスター」には、私はなれそうにありません。
私は少しでも自身に図々しさを感じると、恥ずかしくなってしまうタイプの人間だからです。
これは謙虚さや奥ゆかしさというより、自分可愛さ、なんだと解釈しております。
要するに、嫌われたくないし、ウザがられたくないし、恥をさらしたくないのです。
でも、「ペアレント」としては、かなり違います。
我が子のためであれば、嫌われてもウザがられても、恥をさらしてもいいと思います。
だからいつでもその気になれば、「モンスターペアレント」になれます。
でも、なりません・・・それは私だけの問題ではないからです。
私が嫌われ、ウザがられ、恥をさらすのは一向かまわないとしても、そうなることで家族までが嫌われ、ウザがられ、恥をさらすことには耐えられそうにありません。
そして、少なからず、周囲に迷惑をかけてしまうことになります。

結局私には、「モンスターペアレント」の神経は、半分しか理解できません。
理解できる半分というのは、家庭的な神経です・・・家族単位で考えてみれば、何ら問題ないだろうし、むしろ我が子のために必死なんだから、模範的と言ってもよいかも知れません。
ただし、あと半分、理解できないのが、社会的な神経です。
誰もがかけがえのない命、人生をひとつずつ持った「オンリーワン」であることは、疑いようもありません。
でも、でも・・・まぁ・・・世の中そんな表一辺倒ではございません。
たとえば私だって、まぁ、オンリーワンではあります、他の誰でもない、大切な私です。
ただし、今、私が消えたって、地球には何の影響もありません、地球どころか、エフエムハイホーだって、まぁ悲しんでくれる人は多少いてくれるにしても、ただちに私の代役を探さねばならないという手間が増えるだけで、明日以降もごく普通に続いてゆきます。
もう少し前向きな表現で言いますと、オール・フォー・ワンであると同時に、ワン・フォー・オールです。
21世紀型「モンスター」たちには、社会的神経が、ワン・フォー・オールの精神が、欠如しているのだと思います。

自分以外の人間との共存が社会であるとすると、家族というのが社会の最小単位となります・・・そこから、保育園、幼稚園、小中学校・・・「モンスターペアレント」になるのもいいですが、次第に社会化してゆく子どもとともに、私ももっと社会化できてゆけば、と、そう考えております。
最近私に、やけに増えた知り合い・・・保育士さんたち・・・いつも本当にご苦労さまです。

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posted by fm814 at 00:00

2018年05月02日

娯楽トキドキ情報アワー土曜モチャリスタ − 土曜劇場4月28日放送分

トキ北川
窓 B
出演:トキ北川
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この一連の連作のモデルになった、私の人生で最も印象深い管理人の話をします。
以前、一人暮らしをしていたマンションの女性の管理人で、年齢的には、私の母親といった世代。
毎日同じ顔で、同じ時刻に管理人室に出勤してきて、で、毎日同じ顔で、同じ時刻にマンションを去ってゆきました。
「同じ顔」ってどんな顔かと言いますと、澄まし顔、ではなく、微笑を湛えた表情でした。
ただし、微笑にも様々ありまして・・・ポカポカとした春の陽ざしのような、優しく暖かい微笑もありますが、私みたいな屈折した人間は、そういう笑顔は苦手です。
生放送でもよく申しますし、このコメント欄でもよく申しますが、世の中そんな表一辺倒ではございません。
自分のことを考えてみても、人前でいる時と家にいる時とでは顔が違うと思いますし、家族といる時と一人でいる時とでも顔が違うと思いますし、これは私だけの奇妙な特徴というわけではないと思いますし。
人前でいつも春の陽ざしのように微笑んでいる人を見ても、一人の時はどんな顔をしているんだろう、と思ってしまい、せっかくのその優しさ、暖かさを堪能することができません。
これは何もその二面性を非難しているのではなく、むしろその二面性こそが、私にとって好感が持てる人間っぽさです。
もしも24時間365日、ずっと春の陽ざしのように微笑んでいる人がいたら・・・いないと思いますが・・・その人の顔は、顔と言うより面(「つら」と言うより「めん」)で、私はその人に人間的な好感は抱けません。

さて、彼女の微笑は、春の陽ざしのようではありませんでした・・・彼女というのは、件の管理人です。
彼女の微笑は、春ではなく、冬でした。
厳しい寒風吹きすさぶ冬の刹那、木々の枝の間から細々とこぼれ落ちてきた陽ざし、とでも申しましょうか。
人を癒す力はないですし、それ以前に、人を癒す意欲がありません。
彼女の微笑は、まぁ、何と言うか、単なる個人的事情とでも言うのでしょうか、人に向けられたものではなく、その表情こそが、恙なくその日の勤務を全うするために最も好都合だったのでしょう・・・非常に皮肉な類の微笑でした。
偶然会って挨拶する時も、何か面倒な相談をもちかけた時も、同じ表情でした。
彼女は勤務外どんな顔をしているんでしょう? ・・・笑顔が消えるのか・・・もしかしたら、春の陽ざしのような微笑になるのか・・・でもそれは、単に彼女が管理人を務めるマンションの住人でしかなかった私には、関係ありません。
私にとって彼女は、常に皮肉な微笑の、頼れる人・・・で、勤務時間が終わるとそそくさと去ってゆく人。
極めて閉塞的な性格の私にしては何とも異例なことですが、彼女に対しては時折、世間話として、私の生活や人生の話をすることもありました・・・いつもの表情と、「何とかならんかねぇ」という呟きが、いつも彼女の私への評価でした。
果てしなく心地のよい人でした。

私がマンションを出る日、家具を搬出する私に歩み寄ってきて、いつもの顔で、「これからどうなってもいいけど、頑張ってね」と言ってくれました。
あれから十年以上経ったかな・・・たまにあの管理人室に遊びに行ってやろうかと思うこともあります・・・でもそれは彼女にとって、勤務外でしょう。
あの、安定感と皮肉感あふれる微笑を尊重する意味で、再訪はやめております。

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posted by fm814 at 14:39